🕛 2026.6.4 19:09 文:ナナまどか

Google Research の I/O 2026。ERA と Co-Scientist が同じ週に Nature 入り

Google Research の I/O 2026。ERA と Co-Scientist が同じ週に Nature 入り
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Google Research が I/O 2026 のラウンドアップ記事を公開しました。研究担当 VP の Yossi Matias 氏による『A New Era of Innovation: Google Research at I/O 2026』が 2026 年 5 月 28 日付で出ています。Gemini for Science、AMIE、Coralboard、WeatherNext、Antigravity 2.0、Willow を使った量子計算と、研究現場側のニュースが束で出てきました。

ふと考えてしまうんですが、ここに並んでいるのは「AI が便利になった」話というより、「研究のやり方そのものが書き換わり始めている」話に見えます。同じ I/O 週に Nature で 2 本(ERA と Co-Scientist)、Nature Medicine で 1 本(AMIE のマルチモーダル拡張)が同時に出ていて、研究側の地盤の置き換わり方が、これまでより一段はっきり見えてきています。

Nature に同時掲載された 2 本が、Gemini for Science の土台になる

ひとつめは Empirical Research Assistance、略して ERA。科学者が書く「実験用コード」を、AI が研究者レベルで書く・評価する・何千通りも試して最適化する、というシステムです。Nature の論文に続いて、神経科学から宇宙論、呼吸器疾患の入院予測、カリフォルニアの河川流出予測まで、応用例が GitHub の era_applications ディレクトリに置かれました。

もうひとつが Co-Scientist。Gemini ベースの多エージェント・システムで、仮説の生成と検証を反復するパートナーとして設計されています。Nature 論文に並んで、抗菌薬耐性、植物免疫、肝線維化の研究で実際に使われているという報告が出ています。この 2 本が、新しい『Gemini for Science』スイートの底になっています。

スイートのなかには、ERA と AlphaEvolve を組み合わせた『Computational Discovery』、Co-Scientist ベースの『Hypothesis Generation』、NotebookLM ベースの『Literature Insights』が並びます。論文を読んで仮説を作って実装してまわす、という研究の中核工程に AI が居座る格好です。labs.google/science で順次アクセスが開かれていく、と Google は説明しています。

査読・医療・気象 — 学術と社会の接面でも、AI が静かに入り込んでいる

学術側にもう一つ目を引く動きがありました。ICML、STOC、NeurIPS といった主要会議が、Google の Paper Assistant Tool(PAT)を実験的に運用し、合計 1 万本超の投稿論文をレビューしたとのこと。著者が指摘を受けて新しい実験を追加した、という事例も出ています。査読という、研究者コミュニティの根っこにある営みに AI が入ってくる景色は、これまでとはちょっと違う質感です。

医療側では、AMIE が Nature Medicine の新しい論文で、病歴・検査値・医用画像をまたぐマルチモーダル推論に拡張されました。Beth Israel Deaconess Medical Center と組んで「診察前の問診の負担をどこまで減らせるか」を試すフェーズに入っています。Symptom AI は Fitbit アプリで 13,917 人が参加し、独立の臨床医評価で他の医師よりも鑑別診断が好まれる頻度が約 2 倍だった、という結果が報告されました。

気象では、WeatherNext が 2025 年 10 月のハリケーン・メリッサの急発達とジャマイカ上陸を、5 日前に高い信頼度で当てたと書かれています。都市部の鉄砲水予測には『Groundsource』が登場していて、これは過去 20 年の報道テキストを Gemini で構造化して 260 万件のデータセットに変換した、という回し方。データが取れない問題に、報道を使ったというところが、いかにも 2026 年的です。

エッジ AI、開発、量子 — 「磁場が動いた」のは現場のあちこち

Coralboard が Synaptics と共同で公開されました。Gemma 3 270M を載せた小型ボードで、I/O のプレショーでは Monterey Bay 水族館のクラゲをエッジで追跡して、その動きが大スクリーンの演出になっていた、というエピソードがあります。Gemma V4 はこの春オープンソースで公開後、1 か月で 1 億ダウンロードを超えたとのこと。AI の「重さ」が、デバイスや個人開発者側に分散していく実装の流れは、今年は本格化しそうです。

開発側では、Antigravity 2.0 と /teamwork-preview コマンドの公開が大きな話題でした。複数のエージェントが分業して、OS をゼロから書き上げる、AlphaZero 論文を実装する、自己対戦で囲碁を学ぶ、というデモが I/O のステージに乗りました。これ、見方を変えると、「人が指示する開発」から「人がレビューする開発」への重心移動が、デモ可能なところまで来た、ということでもあります。

量子側もはっきりと一段進んでいます。Willow チップで動かした OTOC アルゴリズム『Quantum Echoes』が、世界最速級の古典スパコンより1 万 3000 倍速く、しかも結果を検証できた、という論文が Nature に出ました。さらに中性原子量子コンピューティングへの拡張、生命科学と量子 AI の交点に総額 $10M を 5 大学へ拠出する REPLIQA も始まっています。量子はずっと「いつか」の話でしたが、今年は「検証可能な優位性」「ライフサイエンスへの適用」と、語り口が少し具体的になってきました。

半年〜1 年で「現場の輪郭」がどう変わっていくか

歴史を振り返ると、検索エンジンが登場したとき、最初に変わったのは「調べる」より先に「調べる人の仕事」でした。今回のラウンドアップで起きているのは、それと似た構図で、研究者・医師・開発者・気象担当者の「仕事のかたち」が、AI を前提にじわじわ書き換わっていく段階だと感じます。日本側でいうと、Gemini for Science のアクセス順次解禁、MedGemma の医療系開発、Coralboard を使ったエッジ AI 製品、量子の REPLIQA に類する産学プログラム、このあたりに国内チームが手を伸ばしていくかどうかが当面の見どころです。

ひとつだけ気になるのは、これだけのものが一週間で並ぶと、「全部が全部、すぐ使える」と読まれがちなことです。Co-Scientist も ERA も AMIE も、研究プロトタイプとしての公開と、責任ある形での段階的アクセスが繰り返し強調されていました。光と影の両方を見ておきたい、というのが正直なところです。答えを急がずに、半年〜1 年かけて、自分の現場で何が変わるかを見ていく姿勢が、いまは合っているのかもしれません。

Google Research: A New Era of Innovation: Google Research at I/O 2026

Nature: Empirical Research Assistance (ERA)

Nature: Co-Scientist — a multi-agent AI partner

Nature Medicine: AMIE multimodal clinical reasoning

Nature: Quantum Echoes — verifiable quantum advantage on Willow

みんなの反応

ろんぶん先生
(大学研究者・査読経験多数・40代女性)

ERA と Co-Scientist が Nature で同じ週に揃ったのは、研究者コミュニティへのインパクトが大きい一週でした。査読側に PAT のような AI が当たり前に入ってきたら、私たちが学生に教える『査読の手の動かし方』のほうも、もう一度言語化し直す必要があると感じています。
救急ナース
(二次救急勤務・30代女性)

Symptom AI の鑑別が他の医師より好まれる頻度が約 2 倍、という結果は強いですが、現場の感覚では『救急のトリアージ』とは別物として読みました。患者さんが受診前に整理されてくる入り口の質が変わる、という効き方なら、私たちの問診の負担はだいぶ軽くなるかもしれません。
E
エージェント職人
(社内エージェント基盤エンジニア・30代男性)

Antigravity 2.0 の /teamwork-preview でゼロから OS を組むデモは、見栄えの派手さに目が行きがちですが、本当に効くのは『多数の小さなサブエージェントをオーケストレーションする設計』が公式から出てきた点です。社内で似た構成を自前で組んでいたチームは、ここから設計指針を貰い直すことになりそうです。
インフラの仙人
(組み込みインフラ・60代男性)

Coralboard に Gemma 3 270M が載って、Synaptics の実装で出てくるとなると、エッジ側で動かす AI の現実解が一段下りてきた感触です。クラゲ検出の話は良い見せ方ですが、私たちの関心は工場ラインの異常検知や監視カメラ用途のほうで、今夏の正式提供で評価ボードを触ってみたいところです。
社会学D3
(社会学博士課程・20代男性)

Co-Scientist で『仮説のトーナメント』を回す発想は、フィールド研究の側から見るとちょっと怖さもあります。良い仮説が早く出てくることと、なぜその仮説が選ばれたかが研究者にとって追えること、この二つは別の話なので、説明可能性と紐づけてどう運用するかは、半年〜1 年で論じ直されると思っています。

※この記事の本文は生成AIが執筆しています。事実関係は公式一次情報で確認しています。

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