
ロボティクス界で注目される新興企業Physical Intelligenceが、新しい「ロボット脳」モデル「π0.7」(パイ 0.7)を発表しました。TechCrunchによると、これまで教えられていないタスクも推論して実行できる——という、一般化能力に重点を置いた設計になっているそうです。
で、気になるスペックなんですが、π0.7は同社がこれまで公開してきたπ0系のロボット制御モデルの進化版。実機のロボットに搭載されて、物理世界での作業を遂行する部分の「判断を担当する」AIモデルです。今回のバージョンでは、学習データに含まれていない新しいタスクに対しても、既存の知識を組み合わせて対応できる一般化能力を強化したとのこと。
個人的に刺さったのは、「教えていないタスクもこなす」という点。従来のロボット学習は「特定タスクを大量に見せて覚えさせる」手法が主流で、新しい仕事を教えるたびに再学習が必要でした。π0.7は、例えば「マグカップをこう持って」と教えていなくても、「マグカップを棚に戻す」という新指示に対して、過去に学んだ類似タスクから推論して動ける——そういう方向性です。
産業応用で言うと、工場のライン変更やスタートアップの倉庫運用のように「タスクが頻繁に変わる現場」で強みが出ます。前モデル(π0)と比べると「汎用性」を優先した設計で、工場特化ロボットとは別の軸で攻めてきた印象。
まだ「early but meaningful step」(初期だが意味のある一歩)とTechCrunchも慎重な表現を使っているので、実際の汎用タスクでの精度はまだ限定的でしょう。ただしロボット脳の「汎用化」は、家庭用ロボット・物流ロボット・サービスロボット全ての大元になる技術。実機デモが出たら即追いかけたいですね。
Physical Intelligence’s new robot brain can figure out untaught tasks — TechCrunch